器に描かれてる文様についてのあれこれを一言

『茄子』=「成す」物事が成就するということを表すおめでたい文様です。花が咲いた分すべてが実るという無駄花が咲かないという意味も併せ持っていますね。器に描かれると楽しい文様です。

窯元さんによって表現が色々で楽しいですね。一つの茄子もかわいいですが器によっては外側から内側に、またはその反対も、それぞれにまたがって描かれてるのもあります。


文様あれこれ  (その2)

富貴の象徴。。。

牡丹の花は中国の唐の時代に『百花の王』として、好まれていた文様です。大きな花を用いることによって富貴(幸福にお金持ちに)なれるという象徴として描かれました。


文様あれこれ   (その3)

実の中にたくさんの種を持っていることから子孫繁栄祈願の意味もあります。
日本でも鬼子母神の象徴として「吉祥果」と呼びます。外側を濃み(だみ)して表現しています。

 豊穣のシンボルでもある
     ザクロ

鍋島で描かれています。細い線描きに点描も細かく表現しており、鉢の内側には石榴の割れていないところが染付に表現してあるのも対比して美しいです。


青海波。。。       (その4)

「四海波静か」という言葉に連想されめでたい文様として季節に関わりなく描かれる文様です

海の神秘や海がもたらす幸福を呼び覚ますものとして愛でられ、祭礼・儀式・物語・衣装や調度などの意匠として親しまれてきました。
その中でもシンプルで極めて美しい青海波はまさに「無限に広がる吉祥の波」として多用されており、日本の伝統的吉祥文様の一つとなっています


笹竹文様。。。     (その5)

竹は折れにくく強いため、不屈の忍耐力、精神力を表します。松と同じ常緑のために、不変・節操の意味で吉祥・高潔を表わします。


兎 文様   (その6)


日本で多く描かれ出したのは桃山時代以降で、古伊万里でも兎の図柄は多く描かれています。
子宝に恵まれるという繁栄の文様でもありますね。
「花兎」「月兎」「波兎」「真向兎」「三つ兎」などのアレンジされた文様がありますが、古伊万里では「月兎」「波兎」が有名ですね。「真向兎」もたまに見かけます。

窯元により色々表現の仕方がありますね。

木賊文に囲まれた横向きのウサギも愛らしいですね。

飛び跳ねている兎さんがふっくらしてるのも福が多いということにつながる。。。とか!


今日は重陽の節句  九月九日 (その7)

九月九日は菊の節句。
中国の陰陽五行思想では奇数のことを陽数といい、特に九月九日は九という陽数が重なる(重陽)めでたい日として重んじられました。
この日には主に長寿を願う祓い事が催され、菊の花が邪気を払い長寿に効くと信じられていたので、菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだと言われています。総じて延命長寿、無病息災気高さや安定、落ち着きを意味していると好まれて描かれています。
その時その時にあわせて文様を選んで使う楽しみもありますね。


鹿。。。          (その8)

中国では鹿は長寿の仙獣として喜ばれ、また「ロク」としての読みが『福禄寿』の「禄」に通じることから仕官して家が栄えるという意味します。

日本においても長寿延命を表し各地の神社の神の使いの神鹿として丁重に扱われています。
七福神の寿老人とともにいるのは1500歳といわれる神鹿です。鹿は禄に通じ、人に富をもたらし幸福を授ける瑞獣とされています。


からすうり   (その9)

白磁に美しく描かれるこの文様は烏瓜の実った赤の色がきれいですね。実った様もですが、瓜の中の種が驚きです。種子はその形から打ち出の小槌にも喩えられ、そのため財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われることもあるということです。
この頃は身近に見ることもなくなってきましたが
中身を見てみたい気になりました。


南天   (その10)

よくお正月などに飾られたりしますが、難を転じて福となすの言葉のように字のごとく南天・・・(難転)。縁起の良いということで描かれているようですね。
伊万里の白い生地に南天の赤が冴え冴えとして美しいです。器の関係で逆さまの写真で失礼します。


公孫樹  文様。。。(その11)

公孫樹は生長が早く、寒さや大気汚染に耐え、ばっさりと枝を切り落としても芽吹く強い生命力を持ち、また種を植えると孫の代になって実を結ぶといわれ、その家が代々続くということから描かれているようです。


葉の形がおめでたい扇に似ている事からも大変好まれました。散ると鶴の飛ぶ姿に似ている事から舞鶴の例えにも使われます。